障害児の補助金・助成金ガイド手当・利用者負担の軽減・医療費助成・自治体独自の助成
障害のある子どもがいるご家庭が使える手当・補助金・助成金を、厚生労働省・こども家庭庁・自治体の公式資料をもとに保護者向けに整理しました。
この記事の結論
- 1補助金・助成金は「手当(現金)」「通所の利用者負担の軽減」「医療費助成」「税控除・割引」の4種類に分けて考えると漏れが減る。申請先はいずれも原則として住所地の市区町村。
- 2手当は特別児童扶養手当(1級 月58,450円/2級 月38,930円)と障害児福祉手当(月16,560円)。いずれも所得制限があり、令和8年4月からの額。
- 3放課後等デイサービス・児童発達支援の利用料は1割負担+所得区分の上限(0円/4,600円/37,200円)で、3〜5歳の就学前サービスは無償。さらに自治体独自の助成がある地域(千代田区・豊島区・大阪市など)もあるので、必ずお住まいの市区町村で確認する。
障害児向けの補助金・助成金は4種類に分けて考える
「補助金」「助成金」と一口に言っても、現金が振り込まれる手当と、支払う額が減る負担軽減では手続きも窓口も違います。まず種類で整理すると探しやすくなります。
| 種類 | 代表的な制度 | 主な窓口 |
|---|---|---|
| 手当(現金) | 特別児童扶養手当、障害児福祉手当 | 市区町村 |
| 通所の利用者負担の軽減 | 所得区分ごとの上限額、3〜5歳の無償化、多子軽減、自治体独自の助成 | 市区町村の障害福祉担当 |
| 医療費助成 | 自立支援医療(育成医療)、都道府県の重度心身障害者医療費助成 | 市区町村・都道府県 |
| 税控除・割引 | 障害者控除(所得税・住民税)、公共交通の運賃割引、補装具費の支給 | 税務署/年末調整、各事業者 |
手当: 特別児童扶養手当と障害児福祉手当
特別児童扶養手当は、20歳未満で精神または身体に障害のある児童を家庭で監護・養育している父母等に支給される手当です。 厚生労働省の案内では、令和8年4月からの支給月額は1級 58,450円、2級 38,930円で、原則として毎年4月・8月・12月に前月分までがまとめて支給されます。 受給者本人・配偶者・生計を同じくする扶養義務者の前年の所得が一定額以上だと支給されません(所得制限)。
障害児福祉手当は、重度の障害のため日常生活で常時介護を必要とする在宅の20歳未満の子ども本人に支給される手当で、令和8年4月からの支給月額は16,560円です。 こちらも本人・配偶者・扶養義務者の所得制限があります。特別児童扶養手当と障害児福祉手当は別の制度なので、重度の場合は両方の要件を確認してください。
どちらも申請先は住所地の市区町村です。障害の程度は診断書などで判定され、等級の基準は制度ごとに異なります(障害者手帳の等級とは別の判定です)。
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放課後等デイサービス・児童発達支援の利用者負担の軽減
通所支援の費用は国と自治体が9割を負担し、保護者は原則1割を支払います。そのうえで、こども家庭庁が示す世帯の所得区分ごとの負担上限月額(生活保護・市町村民税非課税世帯 0円、課税世帯で所得割28万円未満 4,600円、それ以上 37,200円)があり、通う日数が増えても上限を超えて請求されることはありません。 くわしくは放課後等デイサービスの料金にまとめています。
上限額のほかに使える軽減の仕組み
- ●3〜5歳の無償化児童発達支援・医療型児童発達支援・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援などの就学前サービスは、満3歳になって初めての4月1日から3年間、利用者負担が無償(令和元年10月〜、新たな手続きは不要)。食費など実費で負担しているものは対象外。放課後等デイサービスは対象サービスに含まれていない。
- ●多子軽減措置小学校就学前の子ども(通所支援を利用する障害児、幼稚園・保育所・認定こども園などに通う児童)が2人以上いる世帯、または市町村民税所得割の合算額が77,101円未満の世帯で該当する子どもが2人以上いる場合に、2人目の負担を本来の額の5/100、3人目以降を0とする算定が示されている(利用者負担認定の手引き)。該当するかは市区町村が判定する。
- ●高額障害児通所給付費同じ世帯で複数の人が障害福祉サービス等を利用し、世帯の負担合計が基準額を超えた場合に、超えた分が申請により払い戻される仕組み。
- ●食費の軽減通所施設で食事の提供を受ける場合、所得区分に応じて食費が軽減される(低所得 月2,860円、一般1 月5,060円、一般2 月11,660円。月22日利用の例)。
自治体独自の助成金(市区町村で大きく異なる)
国の制度に上乗せして、市区町村が独自に利用者負担を助成している例があります。制度の有無と内容は自治体ごとに違うため、ここでは公式サイトで確認できた例を挙げます。
千代田区
「障害児通所支援利用者負担額助成」により、利用者負担額を区が事業所へ直接支払い、事業所から保護者への請求がなくなる。教材費・食費などの実費は対象外。
豊島区
未就学児は区の独自助成と国の無償化により、サービスの利用者負担が0円。医療費・教材費・軽食費等は自己負担。
大阪市
令和8年9月のサービス利用分から、すべての0〜2歳児の児童発達支援等の利用者負担額を無償化(第2子以降から第1子にも拡充)。給付金方式のため申請が必要で、おやつ代などの実費は対象外。
都道府県レベルでは、重度心身障害者医療費助成、医療的ケア児の支援、補聴器の購入助成、通院交通費の補助などがあります。都道府県別の助成金ガイドでお住まいの都道府県を選ぶと、全国共通の制度とあわせて確認できます。
医療費助成・税控除・割引
医療費では、障害を軽減するための手術や治療にかかる費用を助成する自立支援医療(育成医療)と、都道府県・市区町村が行う重度心身障害者(児)医療費助成が中心です。 後者は名称・対象(手帳の等級)・自己負担の有無が都道府県ごとに異なります。
税では、所得税・住民税の障害者控除(特別障害者・同居特別障害者は控除額が大きい)を年末調整か確定申告で申告します。 このほか、障害者手帳を提示して受けられる公共交通機関の運賃割引や、補装具費の支給などがあります。 金額や条件は下の一覧カードに制度ごとに記載しています。
全国共通の制度一覧(10件)
制度ごとの金額・対象・所得制限・申請先をカードで確認できます。金額は各カードに記載した時点のものです。
手当
特別児童扶養手当
1級: 月額58,450円 / 2級: 月額38,930円(令和8年4月改定)
対象
20歳未満の障害児を養育する保護者(父母またはその養育者)
精神または身体に障害のある20歳未満の児童を養育している方に、障害の程度に応じて手当を支給する制度
申請先
住所地の市区町村の窓口
物価スライド制により毎年4月に金額改定。障害児福祉手当との併給可。支給月は4月・8月・12月(各前月分まで)
障害児福祉手当
月額16,560円(令和8年4月改定)
対象
精神または身体に重度の障害があり、日常生活において常時介護を必要とする在宅の20歳未満の方
重度の障害により常時介護が必要な在宅の障害児本人に支給される手当
申請先
住所地の市区町村の窓口
施設入所中の方は対象外。障害を支給理由とする年金を受給している方も対象外。支給月は2月・5月・8月・11月。特別児童扶養手当との併給可
利用者負担軽減
障害児通所支援の利用者負担上限額
生活保護世帯: 0円 / 市町村民税非課税世帯: 0円 / 市町村民税課税世帯(所得割28万円未満): 月額4,600円 / 市町村民税課税世帯(所得割28万円以上): 月額37,200円
対象
障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービス等)を利用する障害児の保護者
世帯の所得に応じて月ごとの利用者負担に上限額を設定し、それ以上の負担が生じない仕組み
申請先
住所地の市区町村の障害福祉担当窓口
サービス利用料の1割と負担上限月額を比較して低い方が実際の負担額。食費・光熱水費等の実費は別途。3〜5歳児は無償化制度の対象
3〜5歳の障害児通所支援の無償化
利用者負担額: 0円(無償)
対象
満3歳になって初めての4月1日から3年間にある就学前の障害児
2019年10月から、就学前の障害児の発達支援(児童発達支援等)の利用者負担が無償化
申請先
新たな手続きは不要(受給者証の更新時に自動適用)
対象サービス: 児童発達支援、医療型児童発達支援、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援。幼稚園・保育所等と併用する場合も両方とも無償。放課後等デイサービスは対象外(就学後のため)
多子軽減措置
第2子: 利用者負担が費用の5%に軽減 / 第3子以降: 利用者負担0円
対象
就学前の障害児通所支援を利用する児童が属する世帯で、通園施設・幼稚園等に通う就学前児童が2人以上いる世帯
同一世帯の就学前児童のうち第2子以降について、障害児通所支援の利用者負担を軽減する措置
申請先
住所地の市区町村の障害福祉担当窓口(申請が必要な場合あり)
対象サービスは児童発達支援・医療型児童発達支援・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援。放課後等デイサービスは対象外。子の数え方は、幼稚園・保育所・認定こども園・障害児通所支援等に通う就学前児童のうち年長順
高額障害福祉サービス等給付費
基準額(月額上限)は世帯の所得区分に準じる。市町村民税課税世帯: 37,200円。超過分は申請により償還
対象
同一世帯で障害福祉サービス・障害児通所支援・補装具費・介護保険サービスを併用し、合算した利用者負担額が基準額を超える世帯
世帯で合算した利用者負担額が基準額を超えた場合に、超過分を償還払いで支給する制度
申請先
住所地の市区町村の障害福祉担当窓口(償還払いのため申請が必要)
合算対象: 障害福祉サービスの利用者負担額、障害児通所支援の利用者負担額、補装具費の利用者負担額、介護保険の利用者負担額(同一人が障害福祉サービスと併用の場合)。介護保険の負担額は高額介護サービス費の償還後の額を合算。世帯内に複数のサービス利用者がいる場合に特に有効
医療費助成
自立支援医療(育成医療)
自己負担: 原則1割。月額上限 — 生活保護: 0円 / 低所得1: 2,500円 / 低所得2: 5,000円 / 中間所得1(市町村民税所得割3.3万円未満): 5,000円 / 中間所得2(所得割3.3万〜23.5万円未満): 10,000円 / 一定所得以上(所得割23.5万円以上): 公費負担対象外
対象
身体に障害のある18歳未満の児童で、手術等の治療により確実な効果が期待できる方
障害を除去・軽減するための医療について、自己負担を原則1割に軽減し、所得に応じた月額上限を設定する制度
申請先
住所地の市区町村の窓口(指定自立支援医療機関での受診が必要)
中間所得層の経過措置は令和9年3月31日まで延長。対象となる障害: 視覚・聴覚・音声機能・言語機能・肢体不自由・心臓・腎臓・小腸・肝臓・免疫機能等の障害。都道府県知事が指定した医療機関での受診が必要
税控除
障害者控除(所得税・住民税)
【所得税】一般障害者: 27万円 / 特別障害者: 40万円 / 同居特別障害者: 75万円 【住民税】一般障害者: 26万円 / 特別障害者: 30万円 / 同居特別障害者: 53万円
対象
納税者本人、同一生計配偶者、または扶養親族が障害者に該当する方
障害者手帳等を持つ方やその扶養者が、所得税・住民税の所得控除を受けられる制度
申請先
年末調整または確定申告で申告
特別障害者とは、身体障害者手帳1・2級、療育手帳A(重度)、精神障害者保健福祉手帳1級等。同居特別障害者は、特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族で、納税者・その配偶者・生計を一にする親族と同居している方。住民税非課税の基準にも障害者であることが影響する場合がある
交通費
公共交通機関の運賃割引
JR: 普通乗車券50%割引。第1種: 介護者同伴で距離制限なし(本人・介護者とも5割引)/ 第2種: 本人のみ片道100km超で5割引。定期乗車券は第1種の介護者のみ5割引。私鉄・バスは各社の規定による
対象
身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方
障害者手帳を提示することで、JR・私鉄・バス等の運賃が割引される制度
申請先
乗車券購入時に障害者手帳を提示(みどりの窓口・券売機等)
2025年4月1日より精神障害者保健福祉手帳も3手帳共通でJR割引の対象に。手帳には第1種または第2種の記載が必要。小児定期券・回数券・特急券等は割引対象外の場合あり。航空運賃やタクシー、高速道路料金の割引は別制度。自治体独自の交通費助成もある場合が多い
その他
補装具費の支給
原則: 費用の1割が自己負担(残り9割を公費支給)。負担上限月額37,200円。生活保護世帯・市町村民税非課税世帯は自己負担0円
対象
身体障害者手帳を持つ方、難病患者等、および障害児
日常生活や就労に必要な補装具の購入・借受け・修理にかかる費用を支給する制度。原則1割の自己負担で補装具を入手できる
申請先
住所地の市区町村の障害福祉担当窓口
対象補装具: 義肢、装具、座位保持装置、車椅子、電動車椅子、歩行器、補聴器、義眼、眼鏡、歩行補助つえ、重度障害者用意思伝達装置など。借受け制度あり(成長に伴い短期間で交換が必要な障害児等)。令和6年4月から障害児の所得制限撤廃(こども家庭庁)
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都道府県別の助成金ガイド
お住まいの都道府県を選ぶと、全国共通の制度に加えて都道府県独自の助成金・補助金も確認できます。
よくある質問
Q.障害児向けの補助金・助成金にはどんな種類がありますか?
大きく4種類です。(1)現金で支給される手当(特別児童扶養手当・障害児福祉手当)、(2)放課後等デイサービス・児童発達支援の利用者負担を軽くする仕組み(所得区分ごとの上限額・3〜5歳の無償化・多子軽減・自治体独自の助成)、(3)医療費の助成(自立支援医療の育成医療、都道府県の重度心身障害者医療費助成など)、(4)税の控除や公共交通の割引です。申請先や要件はそれぞれ異なります。
Q.特別児童扶養手当はいくらもらえますか?
厚生労働省の案内では、令和8年4月から1級が月額58,450円、2級が月額38,930円です。20歳未満で精神または身体に障害のある児童を家庭で監護・養育している父母等に支給され、受給者・配偶者・扶養義務者の前年の所得が一定額以上だと支給されません。原則として毎年4月・8月・12月に、それぞれの前月分までがまとめて支給されます。申請先は住所地の市区町村です。
Q.放課後等デイサービスの利用料に補助はありますか?
放課後等デイサービス・児童発達支援は、もともと費用の9割を国と自治体が負担し、保護者は1割を支払う仕組みです。さらに世帯の所得区分に応じた月額上限(生活保護・非課税世帯0円、課税世帯で所得割28万円未満4,600円、それ以上37,200円)があります。市区町村によっては千代田区・豊島区・大阪市のように、この1割分をさらに助成する独自制度があります。
Q.3〜5歳の無償化と特別児童扶養手当は両方受けられますか?
別の制度です。無償化は児童発達支援などの就学前サービスの利用者負担を「満3歳になって初めての4月1日から3年間」0円にする仕組みで、手当は所得要件を満たす家庭に現金を支給する制度です。それぞれの要件を満たせば、どちらか一方に限定されるものではありません。ただし手当には所得制限があるため、該当するかは市区町村の窓口で確認してください。
Q.自治体によって助成金は違いますか?
大きく異なります。この記事の全国共通の制度に加えて、都道府県の重度心身障害者医療費助成、市区町村独自の利用者負担助成(千代田区・豊島区・大阪市など)、通院交通費やレスパイトの補助など、自治体ごとの制度があります。施設カルテでは47都道府県ごとの助成金ガイドを用意していますが、市区町村レベルの制度は窓口で「障害児向けの助成制度一覧」を尋ねるのが確実です。
お住まいの市区町村で施設を探す
助成制度を確認したら、次は通える施設探しです。都道府県を選ぶと市区町村ごとの児童発達支援・放課後等デイサービス一覧に進めます。
免責事項
本ページに掲載している助成金・補助金・手当の情報は、各制度の公式資料に基づき2026-07-13に確認したものです。制度の改正・廃止・新設が行われる場合があり、最新の情報を保証するものではありません。申請の際は必ず各自治体の窓口でご確認ください。
情報の誤りを見つけた場合はお問い合わせフォームからお知らせください。
本文の手当額・上限額・自治体の例は2026年10月15日に各公式サイトで確認したものです。制度は年度ごとに改正されることがあり、所得制限の判定や自治体独自の助成の有無は市区町村によって異なります。申請前に必ずお住まいの自治体の窓口でご確認ください。
出典・参考情報
- 厚生労働省「特別児童扶養手当について」(支給月額(令和8年4月〜)・支給要件・支給月・所得制限)
- 厚生労働省「障害児福祉手当について」(支給月額(令和8年4月〜)・支給要件・所得制限)
- こども家庭庁「利用者負担の仕組み」(障害児通所支援の所得区分・負担上限月額・食費の軽減)
- こども家庭庁「就学前障害児の発達支援の無償化について」(令和元年10月開始・新たな手続きは不要)
- こども家庭庁「対象となるサービスと年齢について」(PDF)(満3歳になって初めての4月1日から3年間・対象サービス・実費は対象外)
- 厚生労働省・こども家庭庁「障害福祉サービス・障害児通所支援等の利用者負担認定の手引き(令和8年6月版)」(PDF)(多子軽減措置の対象者と算定方法・高額障害児通所給付費)
- 千代田区「児童福祉法による障害児通所支援サービス」(区独自の利用者負担額助成)
- 豊島区「障害児通所支援」(未就学児は区独自助成で利用者負担0円)
- 大阪市「【令和8年9月より】すべての0〜2歳児の児童発達支援等利用者負担額を無償化します」(令和8年9月利用分から・申請が必要)
- 国税庁「障害者控除」(所得税の障害者控除の額)